終わりが大事
2019.06.09 Sunday
NHKの朝の番組を見ていた女房から、「読み聞かせは、終わりが大事なんだって」と声をかけられました。
その詳細を聞かないままに、その刺激がわたしの頭の中で様々なことを考えさせました。
読み聞かせしている間中、子どもたちが集中して聞いてくれていたならば、どんな終わり方をしてもいいのではないか。
楽しんでくれた過程が大事であって、読み終えた結果を気にすることではないのではないか。
一方で、ある意図を持ってその絵本を選んだ以上、終わりをおろそかにしたならば、その絵本の受け止め方が子どもの心に良いものとして残らない。
その絵本に描かれていたものを肯定的に受け止めてもらう終わり方がある。
よく考えてみれば、日本人は「物事の終わり(締め)」を大事にします。
どんな演奏も演劇も、余韻を大事に味わいたいです。
茶道においても、一つひとつの所作の完結する美しさがあって、次の所作への移行を楽しみます。
弓道は、矢を放った後の残身の美しさが、的を射た結果以上に重んじられます。
相撲道においても勝敗が決した後の、勝ち名乗りを上げる姿に力士の品格を見ます。
「立つ鳥跡を濁さず」の境地で、竹の成長に欠かせない「節」同様に「締め」を大事に日々暮らしたいものです。